入籍から2年越えて鎌倉彫金工房で自分たちで結婚指輪を作ってきた

2年越しで約束を果たすことができた手作り結婚指輪

早いもので入籍から2年9ヶ月。結婚後に生まれた弊娘のベビデビさんも2歳を過ぎ、言葉もポンポン飛び出しイヤイヤ期真っ只中。夫婦ともに毎日ぐったり疲れ切る日々を送っていますが、そんな中で夫婦の約束事をひとつ叶えることができました。

それが結婚指輪を作ること

入籍のみということで、挙式やらなんやら諸々は省略してしまっていたわけですが、それもこれも誕生する弊娘ベビデビさんのことがあったから。出産→育児という流れは割と目前だったこともあり、指輪すらないまま(代わりのペアリングはあったものの)だったわけです。

どちらからともなく「結婚指輪作ろうね」と約束したものの、出産後は育児に追われ、横浜市から湘南への引っ越し、新天地での保育園入園、さらには新型コロナウイルス感染症による生活変化などなど、色々てんこ盛りすぎてなかなか実現にこぎつけないまま入籍から2年が過ぎてしまいました。

そして2021年3月末。ここしかないというタイミングが生まれたこともあり、結婚指輪を作ることに。
文字通り手作りで。

自分たちで指輪を作れる「鎌倉彫金工房」

鎌倉彫金工房 大町店

鎌倉彫金工房を知ったのはいつだったか。はっきりとは思い出せないんですが、確か妻さまから「こんなのあるよ、いいよね」とSNS経由で教えてもらったのが最初。

結婚指輪だけでなく、婚約指輪、ペアリングなどを夫婦・カップルが自らの手で作ることのできるサービスを展開している鎌倉彫金工房。今でこそ同様のサービスを提供しているところが出てきていますが、おそらくここがそのパイオニアです。

本店は鎌倉駅からすぐの御成通りにあり、ほかに今回伺った大町店と横浜・元町にある系列店「横浜元町町金工房」があります。

鎌倉彫金工房 大町店

結婚指輪ですからやっぱりいわゆるブランド物だったり、誰もが知る有名なところで購入するのが良いという人もいるかと思うんですが、うちの夫婦としては、

  • 記念に残るだけじゃなく記憶に残るものにしたいという思いが強いこと
  • 夫婦ともにブランド興味ないこと

ってのがあり、手作りするという選択肢が随分前から決まっていました。価値観似てるって大事。

とはいえ、上述したようになかなか作りに行けるタイミングもないままだったのですが、2021年3月某日に「この日しかない!」と来店日を予約して作りに行ってきました。
正直言うと、この1ヶ月近く弊娘のベビデビさんが風邪をひいてはぶり返すのを繰り返していたので、予約は入れたものの「これちゃんと行けるかな・・・」という不安がすごかったです。
まあ、そこは空気読める弊娘。当日は無事元気に朝から登園してくれました。ありがとう娘よ。

夫婦で共有する3時間

鎌倉彫金工房では、夫婦1セット(2本)の指輪を作るのにかかる時間は、おおよそ3時間ほど。
石の埋め込みなどがある場合、およそ2〜3週間ほどを経て手元にやってきますが、そういったことがなければそのままお持ち帰りすることができます。

指輪のサンプルを見てスタッフの方と相談できる

スタッフの方と挨拶を済ませたあとは、実際に指輪を作っていくすり合わせ。
予約の時点で、デザインや仕上げなどを選びますが、当日になって現物を見て変えたいというケースもあるので、最終的な詰めをこの段階でしていきます。

鎌倉彫金工房で用意している素材は、プラチナ(Pt900)、イエローゴールド(K18YG)、ピンクゴールド(K18PG)、ホワイトゴールド(K18WG)の4種類。
デザインは甲丸、平打、槌目の3パターン。仕上げはクリア、マット、ヘアラインの3パターンとなっています。夫婦同じ組み合わせがオーソドックスかと思いますが、こちらでは夫婦で異なる素材、デザイン、仕上げを選ぶこともできます。

指のサイズを図っていく作業

結婚指輪をはめる左手薬指のサイズは当日測ることもできます。
この指のサイズというのが個人的に厄介なのですよね。ままいらっしゃると思いますが、僕の場合指自体は細めなのに、関節が太いんですよ。関節を余裕でクリアできるサイズだとブカブカに、かといって指にぴったりだと関節を通過できない。この絶妙な難点をクリアできるのも手作りの魅力ですね。

ちなみに僕は最終的なサイズは11.75号でした。

まずは槌目を打つ練習

さて、ここからは実際に彫金工程に入っていきます。夫婦で選んだデザインは槌目です。

金床の上に鉛

が、その前にまずは槌目を作るために練習タイム。槌目の指輪を作っていくレクチャーがスタッフさんから行われました。金床の上に置かれているのは鉛。まずはこれを使って打ち込み方、力加減を練習していきます。

槌目を作っていく練習風景

金床の上の鉛に対してトンテンカントンテンカン。早くも気分は職人。
なんていいつつも、これが結構難しい。いわば槌目で指輪の表情を作る作業なわけですが、何しろ初めての体験ですからね。思い通りにはならないのが当たり前。

とはいえ、時間は限られています。練習後は早々に本番へ。

火入れをして槌を振るう

本番の素材であるプラチナ(Pt900)

金床の上に用意されたのは、スタッフさんが切り分けた本番の金属素材。
今回夫婦ともに選んだのは、結婚指輪としてはオーソドックスでポピュラーなプラチナ(Pt900)。

別名・白金とも呼ばれるプラチナは化学変化に強く、優れた耐久性を持つ硬質素材。まずは、プラチナに槌目をつけやすくするためにバーナーで火入れを行います。

ゴォォォォォという音とともに、手前から奥へ、奥から手前へ火を当てて熱していきます。

熱して冷やしたプラチナを金床にセット

熱を入れて冷やしたプラチナを金床の上へ。両面テープが貼られているのは、槌目を打ち込む際にプラチナが金床上から逃げないようにするためのもの。打ち込みやすくしているんですね。

指輪作っていくぞー
夫婦ふたりでカフェ営んでます的な感じになっとるなあ

ここからはひたすらトンテンカントンテンカン。練習用の鉛と異なり素材が硬いこともありますが、なにより細いので打ち込んでいくのがさらに難しくなります。

プラチナに槌を振り下ろす

何度も何度も槌をふるっていきます。思っていた以上に力がいる作業。
ちなみに今回は、夫婦でお互いの指輪を作っていくことにしたので、僕が妻さまの指輪を、妻さまが僕の指輪を作っていきます。選んだプラチナの幅は僕が2.5mm、妻さまが2mmです。

槌を打ち込んだ途中経過

途中経過。槌を打ち込んでいくと、どんどんと内側へ反り返っていきますし、打ち込んだ力の方向で曲がっていきます。これ、ほんとに指輪になるの? という疑問がふつふつと・・・。
スタッフさんに反り返りをまっすぐにしてもらって、また槌を振るうというのを何度か繰り返します。

ある程度納得が行ったら、続いてほかの道具を使って、プラチナを円環状にしていきます。

円環状に曲げた状態

いびつな状態ですが、なんとなく指輪感が出てきました。続いてこの状態で接合していきます。

円環状にしたプラチナの両端を接合するわけですが、バーナーを奥から接合部である手前へ動かしながら熱していきます。接合には別の小さなプラチナの欠片が使われます。この欠片は完全に融解させなければならないため、指輪に使っているプラチナよりは純度が落ちるものとなっているとのこと。

ちゃんとした指輪になるよう叩く

接合が完了したら、いびつなかたちの指輪を整えていく作業へ入ります。使っていく道具はこちら。

サイズ棒とプラハンマー

左の棒状の金属はサイズ棒と呼ばれるもので、一定間隔に目盛りがされています。その目盛りが指のサイズを示しているんですが、これに指輪を通して右のプラスチックヘッドのハンマーを使って叩いていきます。まずはきちんとした円環になるように整えていきます。

プラハンマーできれいな円環を目指して叩きまくる

この時点では指輪のサイズは気にせず、とにかくまずはきれいな円環になるよう叩いていきます。
指輪を押さえつつサイズ棒をお腹で支えながら叩く。さらにサイズ棒を回しながら叩くという繰り返し。サイズ棒と指輪の隙間がなくなるくらいまで続けます。ひたすらに続けます。

木槌で目標のサイズになるよう叩いて広げていく作業

隙間がなくなってくれば、今度はサイズを変えていきます。プラハンマーから木槌へ持ち替え、サイズ棒の目盛りを見ながら目的のサイズ目指して叩いていきます。
プラハンマーで叩いていたときとやりかたは同じ。ただし、一周叩いたら指輪をサイズ棒から外してひっくり返して通し、また叩く。一周したら外してひっくり返して通して叩く。これを繰り返して均等な厚みで拡がるようにしていきます。

磨きと仕上げ

ヘアライン仕上げの作業

しっかりと指輪のサイズを拡げることができれば、あとは仕上げに向かっての作業になります。だいぶ終盤ですね。今回は夫婦二人とも仕上げはヘアラインを希望していたので、スチールたわしのようなものを使って一定方向にこすり、ヘアラインを作っていきました。
なお、このやすりは普通に市販されているそうで、あとで自分でもっとくっきりしたヘアラインにしたいという場合は自宅でもできちゃうそうです。

その後は指輪の内側を輝くように磨いたりして完成です。お疲れさまでした。

完成後は飾箱に入れて撮影

完成した指輪は、スタッフの方が撮影用の飾箱にセットアップしてくれます。

撮影用飾箱に収められた指輪

無料で刻印もしてくれます

英数字と決まった記号のみではありますが、指輪の内側に刻印もしてくれます。無料。
夫婦で相談して刻印する文字を決め、スタッフの方に刻印してもらいます。

指輪に刻印を入れてもらう

指輪をセットして、1文字ずつ刻印していくのですが、さすがスタッフさん。早い早い。
この作業をもって指輪作りは終わり。有料オプションとなる石入れに関しては希望しなかったので、このままお持ち帰りとなりました。

アフターサービスはいつまでも

鎌倉彫金工房ではアフターサービスも充実しているのが嬉しいところ。しかも期間は定められておらず、いつでもアフターケアをしてくれます。

指輪のサイズは大きくも小さくも直せますし、指輪の歪みや変形にも対応してくれるほか、自分たちで作った時の仕上げを変更したいなんていう要望にも応えてくれます。
程度にもよりますが、基本的にアフターケアは無料となっています。

それぞれ世界に一本しかない指輪

桜を背景に二人の結婚指輪

そんなわけで指輪は無事完成。僕が妻さまの、妻さまが僕の指輪を、お互い思いを込めて(込めてくれたと信じたい・・・w)作ってみました。

素材やデザイン、仕上げの組み合わせに関しては、同じものを選んだ人たちも大勢いるかと思いますが、槌目の入り方や、仕上げのヘアラインの入り方などは千差万別。おそらく同じものはふたつとないものになっているはず。それぞれ世界で一本だけの指輪ですよ。オンリーワン。

かなりの力作業だったこともあり、正直この日はかなり疲れ果てましたが、こうして指輪を作ることができたのは本当に良かったです。これから歳を重ねていっても、指輪を見ればそのときの記憶が鮮烈に蘇ってくるんじゃないかなと思います。それくらい良い体験を得ることができたなと思います。

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