Google、「Checkout」と「ウォレット」を統合
Googleが自社の決済サービス「Checkout」と「ウォレット」を統合しました。「Checkout」はGoogleのネット決済サービス、「ウォレット」はスマートフォンで利用可能な電子マネーサービスです。
今回これらが統合されたことで、「Googleウォレット」ひとつでネットとリアル店舗での決済の両方が行えるようになります。
「Checkout」は先に述べたとおり、インターネット上の対応サービスで某かを購入した場合、その決済を予め登録しておいたクレジットカードで行うことができるサービスです。
例えばdocomoユーザーがAndroid Marketで有料アプリを購入する場合は、Checkoutを通してdocomoのSPモード決済から支払えるようになっているので、「Checkoutって何? 知らない」なんていう人も実は使っていたりするなんてケースも多々あります。
そして「ウォレット」。これは最近になって日本でも聞くようになった「NFC(Near Field Communication)」という無線通信の国際規格な技術を採用した電子マネーサービス。
日本で言うところの「おサイフケータイ」の技術的な後継にあたるものを利用し、「Checkout」同様にクレジットカード、あるいはプリペイドカードから専用口座に入金した状態で、現在のおサイフケータイと同じく、レジで端末にかざすことで支払いを完了できるようにします。
「ウォレット」は今年の9月頃から漸く米国で実用化され始めたばかりですが、スマートフォンでの決済だけでなく、実はオンライン上での決済にも対応しているため、もはや「Checkout」の存在意義がなくなってしまった状態。
そこでGoogleとしては「Checkout」利用者が登録している情報を「ウォレット」に統合し、一本化させるという流れになったわけです。
統合という形なので、既存ユーザーも特にこれといって手を煩わせられる作業もありません。
個人的に「ウォレット」が優れていると思うのは、やはりひとつのGoogleアカウントに紐付く形で、支払いに必要なカード情報や専用口座、決済の履歴、さらにはクーポンまでもが保存され、クラウド上に保存されるという点でしょうか。
日本のおサイフケータイの場合、SIMと端末に紐付いてしまうため、利用可能な端末は1台のみという制約がありますが、その点「ウォレット」だとアカウントとの紐付きになるため、利用可能なデバイスに縛りがありません。まぁ、その分セキュリティに対する意識を個々人が強く持つ必要はあるんですけどね。
ただ、現状日本ではこの「ウォレット」、まったく役に立ちません。
というのもNFCに対応する端末が国内ではまだ発売されていませんからね。一応12/2(Fri)にNFC搭載の「GALAXY NEXUS SC-04D」は発売されますが、利用可能な店舗すらありませんし、結局使うシーンは全くないといっても過言ではない状況です。
そもそも「Checkout」も日本のECではオンライン決済として採用するところも少なかったためにほとんど浸透しないままだったことから考えても、なんだか「ウォレット」も微妙な感じになりそうかなぁという印象。やっぱり鍵はNFCかなぁ。
元々日本ではおサイフケータイの技術を国外に輸出する流れがあったわけですが、そこにNFCが登場。NFCは当初、おサイフケータイとの互換性を持たせるとか言っていたのに、ここに来て「おサイフケータイと互換すんのやめない?」な話が出てきている状態ですからね。
取り敢えずNFCが互換性を持たせるということになってくれれば、日本でも将来的に「ウォレット」が便利なサービスとして利用されるんじゃないかと思うんですが・・・。
うーん、どうなっちゃうのかなぁ。