プラットフォームポリシー変更! Facebookページのファンゲート機能が禁止へ
これはFacebookページの書籍を出した著者として書いておきたい話。
Facebookが8/7(Thu)にAPIの新バージョン2.1と新プラットフォームポリシーを発表したのですが、個人的に関心を寄せたのが新しいプラットフォームポリシー。このポリシーによってファンゲート機能が明確に禁止となったのです。
ファンゲート機能とは?
Facebookページの「ファンゲート機能」とは、簡単に言ってしまえば「いいね!」している人としていない人を条件に、それぞれ異なるページを見せることを可能にします。
これをキャンペーン企画などに用いることで、自社Facebookページヘの「いいね!」を促し、より多くの「いいね!」を獲得することに繋げられる手法として、これまでFacebookページプロモーション施策として数多く使われてきました。
上はFacebook上の懸賞キャンペーンのプラットフォームとして利用率の高い「モニプラ」が使われたプレゼントキャンペーン。
「いいね!」をクリックすることで初めてキャンペーンに応募することができるようになっています。
「いいね!」を押すことを条件にはできなくなる
今回発表された新たなプラットフォームポリシーによって、こうした「いいね!」をインセンティブに設定することそのものが明確に禁止行為になります。
この手の方法でFacebookページのファンを獲得させてきた業者にとっては大打撃ですね! ヒャッハー!
もう少し詳しく言うと、こうしたファンゲートだけでなく、「いいね!」をクリックすることを条件に、その見返りとして何かを与える(コンテンツの閲覧も含む)という流れそのものが禁止になります。
その他キャンペーン以外にも、最近出てきたニュースや動画を閲覧する際に「いいね!」をしないといけないようになっているFacebookアプリも禁止です。
多分、上のようなキャンペーン申込み後に「シェアしてくれたら当選確率2倍!」みたいなやり口もポリシーに引っかかるんじゃないでしょうか。
「いいね!」に限ったことではなく、シェアやコメント、投稿、メッセージ送信といったものも禁止になりますし、Facebookページの外で上記機能を有するソーシャルプラグインを用いてインセンティブに設定することも禁止になります。
今後インセンティブに設定可能なのは、「アプリへのログイン」「スポットへのチェックイン」「アプリページ上のプロモーションへの参加」のみに限られるとのこと。
兎にも角にも「いいね!」必須キャンペーンや、「いいね!」必須コンテンツは軒並み全滅に追い込まれるのはもはや不可避です。
現時点ではまだポリシーが反映されていないので問題はありませんが、2014年11月5日から新しいポリシーが適用され一律規約違反となります。
期日を過ぎてもこの手の方法を用いていると、最悪Facebookページの削除などもあり得ますから、今からでも対応を始めるべきですね。
ファンゲートは技術的にも潰される
新バージョンのAPIとプラットフォームポリシーが発表された当日からですが、すでにファンゲートは技術的にも潰されたも同然の状態になっています。
そもそもファンゲートの仕組みというのは結構単純です。
FacebookページにFacebookとは別のドメインから内容を呼び出して表示するタブアプリを追加し、別ドメインから呼び出すファイルにページヘの「いいね!」の可否を判定するPHPコードを記述します。
このコードがあるとFacebookと通信し、ユーザーが「いいね!」していればliked
を返してくれるので、このliked
を条件として分岐させ、同一ページ内で異なる内容を見せるようにするだけなんですね。
2014年8月6日以前に作成されたアプリについては、上記の挙動が有効ですが、2014年8月7日以降に作成されたアプリでは、アクセスしてきたユーザーがFacebookページに「いいね!」していてもしていなくても、どちらにしてもliked
を返すようになっているので、もうファンゲートを目的としたページタブは事実上Facebookページに追加することができません。
なお、現在挙動が有効なページタブアプリも、新プラットフォームポリシーが適用される2014年11月5日からは同様にliked
のみが返されるようになります。
ファンゲートに頼らない「いいね!」獲得
簡単にFacebookページへの「いいね!」を獲得することができたファンゲート機能が使えなくなることで、多くのFacebookプロモーションを展開する企業が、「今後どのようにしてファンを増やしていけばいいのか?」という悩みを抱えることになりそうですが、そもそも論として、
ファンの数を目的にするな!
ということが言えます。
Facebookページへの「いいね!」数というのは、確かにわかりやすい成功指標ですが、ファンゲートを通して獲得したファンは所詮にわか。
キャンペーンが終われば去ってしまいますし、わざわざタイムラインに投稿が流れないように設定するような人もいるでしょう。
結局低品質な「いいね!」しか集めていないわけで、どんなに「いいね!」数が増えても何の効果も得られないままだったりします。
この辺りについては以前共著で出した拙著でも解説されていますが、Facebookページは顧客との交流を第一義として、そうしたところから信頼を築き、顧客ロイヤリティを向上させていくことが重要です。数じゃなく質を追求しないといけません。
元々今回のポリシー変更の背景も、そうした考え方から来ています。
Facebook的には高品質なコンテンツ(=投稿・写真・動画など)をFacebookページにポストしてもらい、それらを本当に閲覧したいというユーザーの「いいね!」を集めるようにすべきだというのが意図としてあるようです。
なんだかブログのアクセスアップみたいな話ですが、実際Facebookページの運用ってそうあるべきなんですよね。