ブロガーと企業をつなぐ新サービス「reviews (レビューズ)」がスタート
日本のブログ業界において、その一端を牽引してきたアジャイルメディア・ネットワークさんが、このたび新しく「reviews (レビューズ)」というサービスをリリースしました。
ブロガーに商品等をレビューしてもらいたい企業と、受け手となるブロガーをつなぐプラットフォームともいうべきサービスです。
ブロガーと企業と「reviews」
何らかの製品やサービス、書籍やアプリケーション、あるいは映像作品、飲食店などについて書かれたブログの記事というのは、よく見かけられます。
かくいう当ブログでも、これまでに何度かそうした記事を書いてきました。
自ら購入したものもあれば、企業からサンプリングされたものやモニタリングのために貸与されたものなど、いろいろとありますが、共通しているのは対象に興味があり、かつ紹介したいと思えるものかどうか。
最低限、この2点をクリアしていないと、記事化していません。
零細中の零細と自認する当ブログでさえ、レビューを打診するメールをいただくことはちょいちょいありますが、やはり上記2点を満たしているかどうかから判断して、お断りするケースがほとんどです。
で、このお断りするというのは、意外に精神を消耗する作業なんですよね。
それに、打診してきた側からしてみれば、レビューしてくれそうなブロガーを探して、連絡を取るといった作業コストが発生しているわけで、断られた段階でそのコストが無駄になってしまうわけです。
そうしたブロガー、企業が抱える手間やデメリットを排し、ブロガーと企業をつなぐのが、今回リリースされた「reviews」の主な役割です。
オープンオファーと指名オファー
「reviews」を通してレビュー依頼などをブロガーにオファーする場合、2つのオファー形式が存在します。
まず、ひとつめが「オープンオファー」。
これは、モニタリングやサンプリング、あるいはイベントにブロガーを呼びたいという場合に利用できる形式で、「reviews」に登録している全ブロガーに、レビューズ事務局からメールでオファーされるというもの。
そしてもうひとつが「指名オファー」。
こちらはレビューしてもらいたいブロガーを指定してオファーをすることができる形式です。指名できるのはレビューズ事務局によって審査され認められた公認ブロガーになります。
詳しいプランや料金体系は以下から確認することができます。
レビューズ登録ブロガーへの依頼について
公認ブロガーとエントリーブロガー
「reviews」には、ブロガーであれば誰でも登録OK。
登録にはFacebookアカウント、Twitterアカウントを用います。
登録が完了すれば、“レビューズエントリーブロガー”となり、オープンオファー案件の案内が届くようになるんですね。
さて、「reviews」にはブロガー一覧というページがあるわけですが、
ここに表示されているブロガーが、“レビューズ公認ブロガー”というやつで、現在100名ほどが公認ブロガーとして掲出されています。
- AMNのツール等で測定したブログやSNSでの影響力の数値
- 安定して更新されているアクティブなブログかどうか
- 現在公開されているブログ記事からブログ全体の内容やレビュー力、影響力を総合的に判断
上記の審査基準をクリアしたブロガーが公認ブロガーとして、オープンオファーのみならず、企業側からの指名オファーを受けることができるようになるもので、レビューズ事務局が認める“質の高いブロガー”とのこと。
もちろん、レビューズエントリーブロガーであれば、誰でも等しく審査対象なので、まずは「reviews」に登録してしまいましょう。
ちなみに、なんでか僕も公認ブロガーになっています。
お声がけいただいたのは光栄ですが、僕程度でもなれるということの証明なので、そんなにハードルが高いわけではないと思います。
「reviews」で何が変わるのか?
まだリリースされたばかりで、今後どんな感じで転んでいくのかわからん「reviews」ですが、ブロガーやプロモーションしたい企業にとって、どのような変化が訪れるのでしょうか?
1.ブロガーの収益機会が増える(かも?)
これは公認ブロガーに限られた話ですが、指名オファーで依頼できる記事広告は、執筆したブロガーに対して広告料金の70%が還元されるという仕組みになっています。
もちろん、そうした案件が継続的に発生し、なおかつ指名されればという前提はあるものの、ブログに掲載している広告やアフィリエイト以外で収益を得られる機会が増えるかもしれません。
2.面倒な手間が軽減される
ブロガー、企業双方が、「reviews」を経由することで、いろいろと面倒な手間を省くことができます。
特に依頼をしたい企業側の手間はかなり軽減されるでしょう。
これまでだと、依頼するためにいろいろなブログを見て、その中で書いてくれそうな人や影響力のありそうな人を選び、さらにそこから個別に連絡を取る必要がありました。
これが「reviews」を通すことで、予め審査基準をクリアした質の高い公認ブロガーを指名して依頼することができますし、いろいろなブロガーに参加して欲しいという場合は、オープンオファーで、公認ブロガーを含む多数のブロガーへ一斉に依頼することもできるわけです。
また、ブロガー側も企業とのやりとりにかかるコストが削減でき、なおかつ必要以上に個人情報を明かさずに済むといったメリットがあります。
3.レビュー記事・記事広告に対する意識が変わるかも?
アジャイルメディア・ネットワークでは以前から、レビュー記事では企業との関係性の明示を、記事広告では広告であることを明記するよう推進してきました。
今回リリースされた「reviews」も、当然このルールを適用しています。
また、さらに徹底的にしていくために、登録したブロガーがステマ行為を行った場合、仮に「reviews」以外の案件だったとしても、厳しい処分が下される可能性もあります。
このように厳正化を進めることは、ある意味ブロガーの意識を変えるきっかけになるかもしれません。
ステマやヤラセは百害あって一利なし、ということが「reviews」を通じて広く浸透していくことで、ステマやヤラセの撲滅につながるのではないでしょうか。
すんなりとは行かないでしょうけど、そういう流れを作るきっかけになってくれればいいなとは思います。
公認ブロガーの記事がSmartNewsに載るかも?
「reviews」の正式リリースに伴って、5/28にオープンプレスカンファレンスが開催され、そこでサービスの発表が行われました。
オープンプレスカンファレンスとは、情報発信をしている人なら誰でも参加可能なプレスカンファレンスで、ただの記者発表のみならず、勉強会的な側面も併せ持ったイベント。今後定期的に開催される予定です。
さて、そこで発表されたのが、「reviews」とユーザー支持No.1のキュレーションアプリ「SmartNews」との連携です。
6〜7月ごろに、新しくSmartNewsに「オピニオン」チャンネルが開設されるのですが、このチャンネル内でレビューズ公認ブロガーによる記事を配信していくとのことです。
ただ、SmartNewsは非常に複雑なロジックで記事を選定・表示しているので、配信はされても、必ずしも掲載されるというわけではありません。
ぶっちゃけ載ったらラッキーくらいのことではありますが、なかなか面白い試みですよね。
これ以外にも「reviews」ではブロガーの質を高めるための支援を行っていくとのこと。細かいところは明らかになっていませんが、ブロガーのための勉強会などを開催するなどしていくようです。
どうやっても一部からは変なやっかみもあって「ステマと変わらん」とか、「提灯記事濫造するだけ」とか、そういう否定的な意見も出てくるんでしょうけど、個人的に取り組みとしては非常に面白いものだと思います。
まぁ、提灯記事が増えるんじゃね? という懸念は確かにありますが、これは「reviews」側でクライアントとなる企業側に、両面提示の重要性を知ってもらうなどの対策をしてもらいつつ、ブロガー側も一面提示に偏らないようにしていくべきでしょう。
なんの因果か、とりあえず公認ブロガーになってしまったわけですが、基本的に自身のスタンスは崩さず、今後オファーをいただいても、自分が興味のあるもので紹介したいと思えるものだけに限ってのみ請けていきたいと思います。