あきる野市の奥座敷にある紅葉美しい寺院「龍珠院」 #tokyo島旅山旅
今回旅した中で最西のスポットとなる「龍珠院」さんは、開創が1363年と、およそ650年ほどの歴史を誇る古刹で、春には桜をはじめとした花々が、秋には境内の木々を始めとした紅葉の景色が美しいスポットです。
あきる野市に来たなら、ぜひとも来ておきたいお寺さんですよ。
正式名称は「臨済宗建長寺派天照山龍珠院」。
1363年に1日目に伺った光厳寺の十世日峰朝和尚によって開創された古刹です。
1日目に巡った光厳寺、広徳寺もそうでしたが、あきる野市のお寺さんは禅宗、それも臨済宗建長寺派のお寺さんがとても多いですね。
禅寺ってどこもだいたいそうなんですけど、寺院を世俗から隔絶された山の上に置くことが多く、光厳寺、広徳寺も山の上でしたけど、こちらの龍珠院さんもご多分に漏れず結構な高台に建てられています。
いやー、それにしても寺院の入口からして紅葉がきれいですねー。
ちなみにこの入口には石仏が約20体ほど並んでいるんですが、いつごろ彫られたのかは不明だそうで、補修具合から見てもかなり古い時代のもののようです。
こちらは龍珠院の本堂。かなり古いことが窺えます。
禅寺としてはかなり小規模なので、いわゆる禅寺に見られる建造様式ではないようですね。
境内には多くの木々が植わっていて、順序立てて紅葉になるよう配置されていると、たまたまお会いできた大黒さん(住職婦人)にお伺いすることができました。
いろいろお聞きしてみたところ、花の寺としての知名度がかなり高く、春先の観光客はものすごい数とのことですが、秋の紅葉時期は、春ほどではないそう。ただ、近年かなり増えてきているため、そのうち落ち着いて紅葉を楽しめるような状況ではなくなるかもしれないと懸念されていました。
お寺さんに来たというのにマナーのなっていない人というのはいますからねぇ。人が増えることは地域振興には良いのかもしれませんが、静謐な修業の場を乱すことになりかねないのも事実なわけで、口にはされていませんでしたが、やっぱり複雑な思いもあるのではないでしょうか。
それはさておき、境内でちょっと気になる樹が一本あったんですよ。
境内の片隅に佇む、6mほどで先端が不自然な一本の樹。
幹の太さからかなりの大木であることがわかります。
葉を見るとイチョウのようなのですが、なんでこういうことになっているのか、不思議で仕方なかったので、これも大黒さんに聞いてみたところ、もともとはこの倍以上の高さまで伸びていたイチョウの樹だったそうです。
つまりだいたい12m以上はあったということですね。大きいなぁ。
それがなぜこんなことになったのか?
大黒さんいわく「切っちゃった」とのことでした。
なんでも、イチョウの木は非常に折れやすいため、強風などでもし折れてしまうと、本堂に甚大な被害があるかもしれない、ということもあり、致し方なく30年ほど前に切断したんだそうです。
聞いてみればなんとも普通の理由ではありますが、いやはや聞いてみないとわからんこともあるわけで、疑問が解消できたのは僕的には良かったです。
今でも手入れは定期的にやられているそうで、大黒さん自らイチョウの先端まで上り伸びた部分をきれいに整えているそう。
というかですね、驚くことに龍珠院さんの境内をはじめとして敷地内の木々は、すべて住職や大黒さんがすべて手入れを行っているそうです。すごすぎ。
もうそれだけでも龍珠院さんは見る価値アリですね。
うまく行けばこうしてお話を伺うこともできるかもしれませんので、秋川渓谷へ行かれた際は、ぜひとも足を運んでみてください。