ダダ漏れ女子を通してソーシャルネットワーキングサービスとの関わり方を考えさせられた件
ソーシャルネットワーキングサービスですべてをシェアするようになったら、いったいどんなことが起きるのか?
そんな世界を描いた、エマ・ワトソンとトム・ハンクス共演の映画「ザ・サークル」。
11月10日より公開となる映画ですが、ブロガー&インフルエンサー向け試写会にご招待いただき、先立って鑑賞してきました。
世界NO.1のシェアを誇る超巨大SNS企業〈サークル〉。
創始者でありカリスマ経営者のベイリー(トム・ハンクス)が掲げる理想は、全人類がすべてを隠す事なくオープンにする”完全な”社会だ。大きな輪を意味する〈サークル〉では、誰もがいつでもつながりあい、互いの体験をシェアしあい、最高に刺激的な毎日を送ることができる。
憧れの最先端企業〈サークル〉社に採用され、日々奮闘する24歳の新人・メイ(エマ・ワトソン)は、ある事件をきっかけにベイリーの目に留まり、新サービス〈シーチェンジ〉の実験モデルに大抜擢される。
至るところに設置された超小型カメラにより自らの24時間をすべて公開したメイは、あっという間に一千万人を超えるのフォロワーを獲得し、アイドル的な存在となる。ベイリーの理想「全人類の透明化」を実現するため、更なる新サービス〈ソウルサーチ〉の公開実験に臨むメイ。だがそこには思わぬ悲劇が待ち受けていた。あまりにも膨大な善意の渦に隠された〈サークル〉の重大な欠陥に気付き始めるメイだったが — 。
公式サイトで公開されているあらすじから引用しましたが、大筋はこんな感じ。
サスペンスって紹介されてますが、個人的にはあんまりサスペンス感がなかったかなぁ。
原作は2013年に出版され、大ベストセラーとなったデイブ・エガーズの同名小説「ザ・サークル」で、映画化の際にはエガーズ自身も脚本制作に参加しているとのこと。
SNSっていうかダダ漏れ女子の映画である
さて、劇中で何度も出てくるのが、すべてをシェア(共有)するのが正義というもの。
劇中ではこのセリフにいちいち社員たちが嬉しそうにうなずき、声を揃えて復唱したりするんですが、これがもうなんていうか実に新興宗教臭くて気持ち悪い。。
それと同時に全人類の透明化なんてことも言われているのですが、それに伴って出てくるのがあらすじでも触れられている「シーチェンジ」というサービス。
要は小型のカメラをあらゆる場所に設置、ユーザー自身もカメラを身に付け、24時間延々とサークル上で配信し続けるという、トンデモな機能なのですが、エマ・ワトソン演じるメイがそのテストユーザーとなり人気となっていきます。そのフォロワー数実に1000万超。
で、ここでふと思ったんですが、これってSNSがどうのこうのっていうか、むしろダダ漏れ女子じゃねーかと。
最近はあんまり知らないという人も多そうですが、ダダ漏れ女子1号も2号も友人ということもあって、もう劇中はそうとしか観られない状況に。。w
特にライブ配信による失敗シーンとか、もう2号のあれやこれにいろいろとかぶってしまって、当時の騒動をいろいろと思い返してしまった次第です。
SNSの扱い方や距離感について考えるきっかけに
そんな半分冗談な個人的な感情はともかくとして、真面目に語るなら、ソーシャルネットワーキングサービスというものを今一度見つめ直す作品なのではないかなと思います。
まあ、映画という一種デフォルメされた世界ではあるのですが、随所に現実とリンクするところもあります。というよりも、どちらかというと現実ですでに利用されているサービスや機能をデフォルメした世界が「ザ・サークル」という映画の世界だと言えるかもしれません。
映画の中で描かれるさまざまな事象は、現実のソーシャルネットワーキングサービスでも起こりうる事象だと思ったほうがいいでしょう。
そう考えると、映画を通して、自分自身のソーシャルネットワーキングサービスに対しての扱い方や距離感、”顔も知らない友人”との接し方など、馴れすぎて掴みにくくなったユーザーや、逆に始めたばかりでどう使っていけばいいのかよくわからなくなったユーザーは、この映画を観ることで、そのあたりをもう一度思索できるんじゃないかと思います。
試写会後にはあちゅうさん(ha_chu)と東紗友美さん(sayumisaaaan)によるトークショーが行われましたが、そこで「SNSへの中毒性が測れる映画」ということが言われていて、確かにその通りだなと思うと同時に、SNSへのリテラシーが測れる映画でもあるなと感じました。
未だにそのあたりが未熟なせいで起きる事件は絶えませんが、この映画を教材に「何がどう悪いのか?」を考えさせる機会にするのもよいかもしれません。
映画の公開は11月10日(金)。
気になる方はぜひお近くの劇場へ足を運んでみてはいかがでしょうか?