矢野きくの先生による時短料理のコツ&レシピと最新キッチン家電が目からウロコすぎた件
東京・豊洲にて開催された「忙しいパパ&ママの新生活を応援! おべんとう時短を叶えるキッチン家電ワークショップ」。
「お前パパでもママでもないやんけ」とツッコまれることは承知のうえですが、今回こちらのイベントに取材参加させていただきました。いやー、時短テクニックもさることながら、キッチン家電の進化具合が凄まじすぎますな。
朝は忙しい! だからこそ負担軽減したい
忙しい朝の時間帯。
洗濯して軽く掃除して朝食作って・・・とやっていたら、それこそ時間はあっという間ですよね。さらに弁当作りなんてのも加わってくると、そらまぁえらいこっちゃになるのは想像に難くありません。
できれば朝はもう少しゆっくりしたい、少しは朝の慌ただしさを軽減したいというのは誰もが思うことじゃないでしょうか?
そんな願いを実現するために、どの労力を抑えていくかとなると、やはり料理。朝食作りや弁当作りにかける労力を軽減していくことになります。
ということで、NTV系「ヒルナンデス!」などでお馴染み、家事アドバイザー・節約アドバイザーの矢野きくのさん(yanojapan)による、キッチン家電をフル活用したテクニックが伝授されました。
時短料理のキモは冷凍保存と常備菜にあり
今回のメインテーマは「忙しい朝に火を使わず料理する」というもの。
それを実現するためのポイントを矢野先生に教えていただきました。
ポイント1. 冷蔵庫を使いこなす
ひとつめのポイントは冷蔵庫。
矢野さんいわく、冷蔵庫は単に食材を入れて保存するものではないとのこと。冷蔵室、冷凍室、チルド室、野菜室をいかにうまく使うか。ここをしっかり考える必要があるそうです。
調理にかかる時間を短縮するには、ただ食材を保存するのではなく、大量調理した料理そのものを保存することが肝心なんだそうな。
確かに食材のまま保存しておくと、使うの忘れてて、いつの間にかダメになってしまうパターンというのはままあることです。それこそ無駄になるし、節約された買い物には結びつきませんよね。
それを防ぐ意味でも、買ってきた食材で一気に大量調理し、それを冷凍保存しておけば、使いたい時に使いたい分だけ解凍して食卓に乗せることが可能になるわけです。言われてみればそのとおりだなぁ。
ポイント2. 常備菜をまとめて作る
そこで作っておきたいのが、いわゆる”常備菜“ってやつです。
味が濃い目でご飯のお供になりそうなおかず、とでも言えばわかりやすいでしょうか。ひじき煮とか切り干し大根とかそういうの。
こうした常備菜を大量に1週間分作って、半分を冷蔵で保存し、残り半分を冷凍で保存しておきます。
このときにポイントとなるのが冷凍保存の方法。
冷蔵するものはすぐに食卓に出せるようにすればいいので、どかっと盛っておいても構いませんが、冷凍して保存する場合は、シリコンカップを使って小分けにしておくと良いそうです。
確かにこういう容器あると便利そう。最近だと100円ショップでも、こういうのが売っているので、いくつか買って持っておくといいかもしれません。
それに、こうやって小分けにしておくことで、これが朝の時短に結びつきます。
要は弁当箱にこのシリコンカップをそのまま移し替えれば、あとは自動解凍で、お昼ごろには食べ頃になるというわけです。
ポイント3. 冷凍保存の三原則
さて、ここで知っておきたいのが冷凍保存のコツ。
矢野さんいわく、冷凍保存には3つの原則があるとのこと。
1. 空気に触れさせない
第一に空気に触れないよう保存すること。
というのも空気中には当然目には見えませんが水分が含まれています。この空気に触れた状態で保存してしまうと、食材に霜が付いてしまい、結果的に食材の劣化を招いてしまうんですね。
これを防ぐには、食材にラップを密着させるように巻き、さらに密閉タイプの保存袋(ジップロックなど)に入れて空気を抜いてから冷凍庫へ入れると良いそうです。
2. 薄くする
正確には薄く、小さくするという方がいいのかもしれませんが、例えばブロック肉などをそのまま冷凍保存してしまうと、あとあとになって食材を使う際に、解凍しなければなりません。しかし、これをさらに冷凍させるのは食材の劣化が避けられませんから、保存前にかならず薄く小さくしておくほうが良いんですね。
それに冷凍保存時に薄く小さい状態であれば、短時間で冷凍が可能になります。
3. 急速冷凍
「薄くする」に掛かってくる話なんですが、冷凍に時間がかかってしまうと食材の旨味が逃げてしまいます。それを防ぐためにも、冷凍に掛ける時間は短くしたいわけです。だからこそ、食材を薄くする、小さくするのが望ましいんです。
そこで用いたいのが金属製のバット。
密閉型の保存袋のまま冷凍庫へ放り込むのではなく、熱伝導率の良い金属製バットを下敷きに、さらに食材の上へ保冷剤を置いておくことで、食材の上下からしっかり冷凍することができます。省エネにも繋がるそうですよ。
三菱時短おべんとう 作っておきたい常備菜レシピ
矢野さんオススメの常備菜も紹介されました。
その一覧が以下。
きんぴらとかブロッコリー、和物といったのは割りとよく聞きますが、炒り卵とかグラタン、ミートローフなんてものも冷凍して使えるんですねー。へー。
でも、確かに冷凍食品とかで調理済みのグラタンやハンバーグがあるわけだから、そう考えたら不思議じゃないかも。
今回はこの中のものを含めて、いくつかレシピも紹介されました。
きんぴらごぼう ※電子レンジのみ
矢野さんいわく「時短料理の定番」だそうです。僕も好きなおかずなので、よく夕食の一品として作ることが多いんですが、電子レンジだけで作るってのはやったことありませんね。
後日、実際に試してみたんですが、これがホント簡単で、コンロもひとつ空くから他の料理も作りやすかったです。味も普通に作るのと変わりないし、むしろ歯ごたえとか電子レンジで作るほうがいい感じでした。
肉みそ
続いて紹介されたのが肉みそ。ひき肉って僕の料理ではあんまり使わないのですが、なんでも常備菜の定番食材なのだそう。
今回紹介されたのは薄く醤油で味付けされた肉みそのレシピが紹介されましたが、作りおいたものをオムレツの具材にしたり、パスタのミートソースの材料に使ったりすることで、普段の調理の時間短縮にも繋がるというわけですね。
もちそん、そぼろとしてご飯にかけていただくというのも全然アリではないでしょうか。
かんたん蒸し豚
常備菜というか、普通のおかずレシピなのですが、電子レンジのみで作る蒸し豚のレシピも紹介されました。
これもいいですねー。電子レンジだけで調理するので、調理工程をかなり省けます。調理には数年前からキッチンアイテムの定番になってきているシリコン蒸し器を使うので、出来上がったら、そのまま食卓に載せられますし、後々の洗い物も少なくて済むというメリットだらけ。これはいいなぁ。
「切れちゃう瞬冷凍」がすごすぎる!
さて、ここまで紹介されたレシピは、普通にどこのご家庭でもお試しできるわけですが、この流れの中で紹介された三菱冷蔵庫に搭載されている「切れちゃう瞬冷凍」という機能には、大変驚かされました。
通常、冷凍するとガッチガチに凍ってしまって、当然の事ながら解凍しないかぎり調理しづらいですよね。
ところが「切れちゃう瞬冷凍」で冷凍された場合、食材を解凍することなくサクッと包丁で切ることができますし、使いたい分だけをスプーンですくうこともできますし、食材同士がくっつかないので、サクッと剥がすこともできるのです。
瞬冷凍されたきんぴらは箸でつまめますし、
瞬冷凍された肉みそはスプーンですくえますし、
瞬冷凍された豚の薄切り肉は、このように1枚づつペリっとはがせる。
いやいやいやいや、これは驚きですよホント。
揚げ物好きなら1台欲しい「ZITANG」
続いてもうひとつレシピ。
肉好きならば誰もが好きであろう「ミートローフ」です。
ハンバーグとはまた違ったひき肉料理の代表選手ですね。ただいかんせん作るのが面倒っちゃ面倒なんですよ。。
しかし、ここで紹介された三菱のオープンレンジ「ZITANG」が凄いのです。
操作メニューが非常にシンプルで、形状も薄型。デザイン的に僕が好きなやつなんですけど、このオープンレンジを使うとミートローフが非常に簡単にできてしまいます。
レンジ→オープンへ自動で切り替わる「リレー機能」
薄型になったことで加熱効率も良くなり、シンプルなメニューのおかげで使い勝手の良い「ZITANG」ですが、非常によくできているのが「リレー機能」という素晴らしい機能です。
通常、レンジとオーブンというのは異なるメニューですが、この「ZITANG」の場合、調理するものに応じて、最初はレンジで加熱、その後オーブンで焼き上げという一連の工程を自動で一括してやってくれるというもの。
この場合、オーブンに必要な余熱の工程もないので、時間も短縮されますし、通常のオーブンと比べても加熱時間も短くなることで、美味しさが逃げないというメリットもあるのです。
上に掲載したレシピは「ZITANG」を使った場合のものになるわけですが、実際に調理すると、
こんな感じで肉に肉(ベーコン)巻いた調理前のミートローフが、
このようにいい感じに焦げ目の付いた美味そうなミートローフへと変貌いたしました。素晴らしいなコレは。肉に肉っていうのも素晴らしいw
衝撃的な揚げ物の温め直し
とまぁ、こんな感じで超便利そうな「ZITANG」なのですが、さらに驚愕したのが揚げ物の温め直しです。
普通、電子レンジで揚げ物を温めなおすとベチャッとしがち。トースターで温め直せばベチャッとはしないものの、やや揚げ物とは違った感じの仕上がりになりがちなんですよね。
ところが、ZITANGを使って揚げ物を温め直すと、揚げたてとしか思えない食感で復活するのです。
こちらは温め直されたエビのフリッター。いいですか、これは温め直されたものなんですよ。大事なことなので2回言います。
見た目にも揚げたてのようですし、実際に口にした時の食感もカリッサクッジュワッとしてて、言われなければまずわからないレベル。
これもレンジ→グリルのリレー機能によるものなのだそう。いやはや素晴らしすぎるだろこの機能は。。揚げ物好きとしてはぜひとも1台欲しくなりますな。
ご飯は冷えても美味しいものであるべき!
さて、今回のテーマにもある「おべんとう」と言えば、大事なのは主食であるご飯ですよご飯。ワークショップではこのご飯についても言及されました。
おべんとうのご飯といえば、保温ジャーにでも入れないかぎりは冷たくなってしまいますよね。しかし冷たくなったご飯はたいてい微妙になりがち。
そこで紹介されたのが、三菱の炊飯器「本炭釜KAMADO」なる製品。
なんだか丸いフォルムが可愛らしい炊飯器なのですが、こいつが想像以上にやり手なやつなのです。
こちらは本炭釜KAMADOで炊かれ、おにぎりにしたものをあえて冷やしたもの。
実際に試食してみましたが、確かに冷たいご飯なのに美味しさがほぼ損なわれていない。食感も大きく変わることなく、普通に美味しくいただけました。
炊きたてバージョンもいただきましたが、こちらも美味しい。
有り体な表現ですが、米一粒一粒がしっかり立っていて、含まれた水分がすごいバランス良いのですよ。
お米を炊くときのちょっとした工夫
お米って炊き方次第で味が変わるのは間違いないと思うんですよね。
手間を省く米の研ぎ方と、美味しく炊く最初の一手についても、矢野さんが教えてくれました。
まずは米の研ぎ方について。
最近の炊飯器の内釜って、だいぶ頑丈にできていることもあって、内釜でそのままコメを研ぐことのできる仕様のものが多いです。実際、我が家で使っている炊飯器もそういう仕様なんですが、矢野さんはそうした仕様は無視して、ザル&ボウルで研ぐのをオススメしておりました。
というのも内釜で研いだ時って、何が大変って米をこぼさないように水(研ぎ汁)を捨てないといけないんですよ。慣れれば別にどうってことない作業なんですが、これで時間が掛かってしまうという人もいるのではないでしょうか?
そこでザルに米をセットし、ザルの下にボウルを置いて米を研げば、すぐに水を切ることもできますし、ボウルに溜まった研ぎ汁は、大根の下茹でや拭き掃除といったものに使うことができます。何より米をこぼさなくなるわけです。
そして米を美味しくする最初の一手ですが、これはなんといっても水です。
よくミネラルウォーターでご飯炊くという話は聞きますが、実はコレあんまり意味がありません。ミネラルウォーターを使うなら一番最初。米を研ぐ最初の水として使うべきなのです。
これ、ちゃんと理由があって、米というのは言ってみれば乾物のようなものなんですね。なので、最初に触れた水分を最も多く吸収するわけです。
そこそこ料理好きにとっては常識なのですが、意外に知らない人が多いみたいですね。この違いが劇的に味に変化をもたらすか? と言われると難しいですが、米の甘みや匂いといったところは変化が多少出てくるので、とりあえずお試しあれ。
おにぎりづくりにもいろいろ道具があるのね
さて、そんなご飯パートでは、実際におにぎりを作るという実演も行われました。
実演するのに指名されたのは、一緒に取材に行った武者さん(mmmryo)。
こんな感じでご飯をつめていきまして、
激しくシェイク! これでご飯がまるまっていくんですねー。
小さいながらもまんまるなおにぎりができあがりました。
最近はこういうアイテムが100円ショップをはじめとして、いろいろなところで売ってますよね。忙しい朝に手で握るというのは、なかなか手間がかかりますが、こうしたアイテムを使うのも時間短縮のワザですね。
ちなみに僕は小ぶりのお椀を2つ用意して、同じようにシェイクして丸めたりします。丸まったおにぎりに味の濃い味噌とか付けて食べたりすると美味いんですわ。
大きさも思い通りにできるので、市販のものよりも大きめのおにぎりを作りたいという場合は、お椀を使うのもいいと思いますよ。
あと、去年くらいから話題になった”おにぎらず”なんかも、各社からキットが発売されてますが、今回のワークショップで紹介された常備菜を使っておにぎらずを作り、おべんとうにしてもいいかもしれません。これはこれで時短になりそうだし。
チキチキ! 時短でお弁当何分でできるかレース
ワークショップの締めくくりとして、矢野さん自ら、常備菜を使ってお弁当を詰める実演をされました。
お弁当に詰めるのは、おにぎりと5種類の常備菜。
長方形のお弁当箱に順々と常備菜を詰めていきます。
お弁当完成。所要時間は約1分40秒ほど。
詰めながら解説もされていたので、実際にはもっと短くなりそうです。
あくまでも詰めるのにどれくらい掛かるかという実演ですが、予め準備された常備菜があれば、これくらいの短時間でお弁当作りができてしまうというのは、驚異的な時間短縮ではないでしょうか。
常備菜大事! 食費節約にも繋がると思う
今回、このワークショップに参加して思ったのは、常備菜が大事ということ。
FacebookやTwitterにしょっちゅうアップしてますが、僕自身ほぼ毎日自炊する生活をしています。しかし、常備菜というのはあんまり作らない。
基本的にその日食べる分を作って平らげるというのが常になっているんですよね。
できるだけ一汁三菜を作ろうと決めているのですが、ここに常備菜があると、料理する手間も減らせますし、何より食費の節約にも結びつきそうかなと。
やっぱり安い時に食材をまとめて買ってくるのがいいと思うんですけど、食材の消費期限とかそういうことを考えてしまうと、なかなか思い切ってまとめ買いには至らないんですよ。でも、ワークショップで教わった冷凍保存のコツを実践すれば、そのあたりも気にせずに済みますしね。
それにしても、今回のワークショップで活用されたキッチン家電もホントすごかったですね。「切れちゃう瞬冷凍」搭載の冷蔵庫もいいなーと思いましたが、かなり欲しい熱が高まったのがオーブンレンジの「ZITANG」。
リレー機能を使った揚げ物温め直しはマジで凄いです。あれはぜひとも1台欲しいところ。思わずあれだけレビューしたい気になるほどですもん。
もうすぐ新入学、新入社の時期ですが、一人暮らしを始める際のキッチン家電として、選択肢に入れるべきだと思います。