鬼コーチの新刊はノンデザイナーと見せかけてデザイナーが読むべき本だ

我らが鬼コーチことデザイナーのウジトモコさん(@UJITOMO)から、ソフトバンク新書の新刊著書「デザインセンスを身につける」を献本頂きました。ありがとうございます。

ウジさんには、「視覚マーケティング実践講座」の元となったブログデザイン勉強会以来、お世話になっています。

デザインセンスを身につける

本書は、どちらかと言えばノンデザイナーに向けて、ウジさんが提唱する”視覚マーケティング”を交え、「デザインを理解すること」の入門編として書かれた内容になっています。

しかし、これはノンデザイナーに向けているように見せかけて、実は世のWebデザイナーこそしっかりと読むべき本なのではないかと思うわけです。

いや、勿論ノンデザイナーもデザインの何たるか、デザインの要訣である「トンマナ(トーン・アンド・マナー)」を理解するのに最適な一冊なのは間違いありません。なので、当然ノンデザイナーも手に取るべき書籍だと言えます。

ただ、何故Webデザイナーこそ読むべきかと言うと、本書で説かれる考え方に至っているデザイナーが余りに少ないんじゃないかと、体感として思っているからなんですよね。

仕事で知り合うデザイナーとの会話もそうですが、TwitterやFacebookといったソーシャルメディアの使い方などを見ていてもそう感じることが多いです。その一端が本書の最初で書かれているソーシャルメディアでのアイコンです。

アイコンにこそデザインセンスが現れる

僕も以前に似たようなことを書いたことがあるんですが、Webデザイナーと名乗る人の中にも、本書で例として上がっているような犬、猫の写真だったり、アメーバ的なイラストだったりを使っている人が多くいます。デザインを仕事としているのに、こういう為体であることは如何なモノかと思うわけです。

「デザインリテラシー」あるいは「デザインセンス」の欠如以外の何ものでもありません。
自分の見せ方に無頓着というのは、企業活動に置き換えてみると、ロゴマークや商品のパッケージデザインをいい加減にして、センスがよくないとわかっているのにほったらかしにしていることと同じです。
via. 「デザインセンスを身につける」p.18

ちょっと厳しい気がしないでもないですが、まさにこういうことなんですよね。

勘違いしてほしくないのが、自身の顔写真をさらせということではなく、あくまで自身のブランディングを考えた時に最適な画像を選び出すことが重要ということです。

僕の場合は顔写真をアイコンにしてるんですが、ここに書かれていることを元にもう少し見直したいですね。。というか写真が古いってのもあるし・・・。

デザインセンスが顕著に出る色選び

デザインセンスを身につける

本書では色選びについて、ノンデザイナーでも解りやすいように解説されています。

自分のセンスにコンプレックスを持つ人たちにとって最も苦手な課題は「色」ではないでしょうか。プレゼン資料の色使いからスーツとネクタイのコーディネートまで、色に苦労している人は少なくありません。
via. 「デザインセンスを身につける」p.80)

とありますが、色というのはデザインにおいて中核となるものだけに、最もセンスが求められる要素なんじゃないかと。

例えば、同じフォントのロゴでも、色の使い方ひとつで、そのロゴの印象は全く異なるものに仕上がります。ただでさえフォントひとつとっても印象が変わるのに、さらに色が加わることでより印象が変わっていくわけですからね。

そんな色の選び方という点について、僕もモバイルサイトで関わった豊島屋本店の「綾」という商品のパッケージを例にとって詳しく説明されています。

色の基本について言及する書籍は多いですが、色の選び方を言及する書籍は少ないだけに必読の箇所ではないでしょうか。

個人的にも色使いがまだまだ甘いことを自覚しているので、この選び方を読み返して精進していきたいところです。

プレゼンにもデザインセンスは必要

デザインセンスを身につける

個人的に読了して、ノンデザイナーの人にとって最も重要な部分がこのあたりではないかと思っています。むしろ何度も読み返すべきところといった方がいいかもしれませんね。

今のIT業界に入る前は、テレビ番組の制作に携わっていたんですが、この企画会議において必要とされる資料を作るのに、どうしたら現場の総合演出やプロデューサーに、資料に入れるネタに目に留めてもらうか、興味を持ってもらえるかを考えに考えていました。

テレビ番組の会議では、いわゆる喋るプレゼンというのはほとんど行いません。机の上に配布された資料をパッパッと開いて流し見て、総合演出やプロデューサーが「いいねぇ」「ないなぁ」と評することがほとんどでした。

そのため、当時は資料のフォントサイズや書体選び、写真の差し込み方などを工夫したものです。

当時はまだ洗練された資料を作るような”腕”はありませんでしたが、それでもこうした工夫をしていたことで、会議の場でネタに注目してもらえる確率は非常に高かったと思います。

そういう経験もあって、僕自身もプレゼンにおいてデザインというのは非常に重要な要素だと考えていましたから、このプレゼンについて書かれた第3章は非常に興味深い内容でしたね。

フリーランスのディレクターとして今は活動しているわけですが、クライアントに向けた資料の作成は、本書の内容を参考により相手に伝わる、伝えられるプレゼンができるよう”腕”を磨いていきたいと思います。

デザインの持つ可能性は凄いことが解る一冊

僕自身はディレクターであってデザイナーではないですが、テレビ屋時代の経験もあって、元々「デザインとは単純にモノやコトの見た目を整えるだけのものじゃない」という観念を持っていました。

IT業界に入り、ディレクターながらもモバイルサイトのデザインをする中で身につけた経験と感覚で、よりその観念が確定的なものになり、「デザインは様々なモノやコトを大きく拡張する可能性を持ったもの」という認識になっていきます。

その後、あの「ブログデザイン勉強会」をきっかけに、その認識の言語化が自分でもできるようになり、さらにはウジさんの提唱する視覚マーケティングというものに触れて、デザインの持つ可能性はとてつもないものであると確信するに至っています。

本書は、デザインというものが全く解らない人から、デザインの世界に足を突っ込んでいる人まで、全くの正反対にいる層の両者に、デザインの可能性、デザインの威力の確信を与える一冊ではないかと思います。ウジさんと知り合いだからとかそういうのは全く抜きにした率直な感想です。

できることなら、それこそテレビ屋時代にこの本に出会いたかった。とマジメに思ってしまいます。まぁ土台無理な話なんですけどw

でも、それくらい早くに読んでおきたい内容でしたし、可能な限り多くの人が本書を手にとって、デザインセンスを身につけるための道標としてほしいものだと思います。

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